概要
炭素繊維等の繊維シートを貼り付けたコンクリートに削孔し、ドライロックピンを打ち込み、キャッピングすることにより、コンクリート中の不必要な水分を排出して、加えて繊維シートを物理的に固定する補助・補強工法です。
開発の背景
従来の繊維シート工法においては、繊維シート背面の水分・浸透水・水蒸気によるふくれや剥離現象がありました。また、コンクリートと繊維シートを樹脂の化学的接着力のみで複合させていることに対する不安がありました。これらの問題点を解決すべく考えられたのがピンニング・ドライ工法です。
特長
①脱気効果
・コンクリートは内部と外気の湿度差により水分を排出・吸収(呼吸)しています。
・ドライロックピンの有孔部よりコンクリート内部の水蒸気や水分が抜けて、繊維シート及び塗装のふくれや剥離現象を防止します。
②アンカー効果
・繊維シート等をコンクリートに物理的に固定し、アンカー効果を発揮します。
ドライロックピン
横材質はステンレス製(SUS304)のため、錆びる心配はありません。
他工法との相違
①簡易水抜きパイプ工法
簡易水抜きパイプ工法ではパイプ先端の開口部からしか水蒸気および水滴が抜けませんが、ピンニング・ドライ工法ではドライロックピンの周面有孔部から抜けるので、脱気効果がより効率的です。
②繊維シートに隙間を設けて貼り付ける工法
コンクリート内部の水分や遊離石灰が繊維シート端部に直接触れるため、繊維シートが劣化しやすい構造です。
施工手順
マーキング工 | ピンの位置を決定します。 |
穿孔工・孔内清掃 | 規定の深さに孔を開けます。4~6本/㎡を基準とします。その後手動または電動のエアーポンプで切り粉を除去します。 |
アンカー工 | ドライロックピンを孔に挿入し、専用打込棒でピンを所定の位置まで打ち込みます。 |
キャッピング | エポキシ樹脂を塗布したキャップをピンのネジ部で回転させて締め付け、繊維シートに固着させます。 ※エポキシ樹脂は、繊維シート工で使用する不陸修正材などとします。 |
※ ピンニング・ドライ工法は、国土交通省 新技術情報提供システム(NETIS)に登録されています。 NETIS登録No.KK-020043 |
問い合わせ先
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